古民家や中古住宅を前にしたとき、
多くの人がまず悩むのは「どこまで直すべきか」という点です。
新築のように真っ白にすることもできる。
でも、それは本当にこの家に合っているのでしょうか。
古い家には、時間が積み重なった痕跡があります。
それは欠点ではなく、他にはない個性です。
リノベーションで大切なのは、
壊すことよりも、活かすことを選ぶ視点。
ここでは、古さを魅力に変える素材選びの考え方を紹介します。
まず残したい「時間が刻まれた部分」
古民家や中古住宅には、
最初から完成された雰囲気があります。
- 梁や柱
- 建具
- 床板
- 天井板
多少のキズや色ムラは、
住んできた人の歴史です。
すべて新品にすると、
家が持っていた物語まで消えてしまいます。
映える素材① 無垢材は“合わせる”発想で
無垢材は古い家と相性の良い素材です。
ただし、すべてを無垢にする必要はありません。
- 既存の柱や梁と色味を揃える
- 床だけ無垢、壁はシンプルに
- 触れる場所にだけ使う
量よりも、使いどころが重要です。
映える素材② 左官仕上げはラフさが正解
漆喰や珪藻土は、
完璧に仕上げすぎない方が古い家に馴染みます。
- コテ跡を残す
- あえてムラをつくる
- 真っ白を避ける
ラフさは、
家が持つ空気を壊しません。
映える素材③ アイアン・黒皮鉄で輪郭を締める
古い家は、やわらかい印象になりがちです。
そこで効いてくるのが、黒や鉄の要素。
- 手すり
- 照明
- 棚受け
少量入れるだけで、
空間が引き締まります。
映える素材④ タイルは「点」で使う
タイルは主張が強い素材です。
だからこそ、面ではなく点。
- 洗面の一部
- キッチンの立ち上がり
- 玄関の土間
アクセントとして使うと、
古さと新しさの境界が美しくなります。
あえて選ばない方がいい素材もある
古民家リノベで注意したいのが、
家の質感と合わない素材です。
- ツヤの強いフローリング
- 近未来的な設備デザイン
- 浮いた色味のクロス
「便利」でも「似合わない」ことはあります。
色は“足す”より“引く”
古い家は、もともと情報量が多い空間です。
- 木
- 影
- 質感
色を足しすぎると、
その良さが埋もれます。
基本は
白・生成り・黒・木の色
この範囲で十分に表情が出ます。
古さは、整えるほど際立つ
古さを消そうとするほど、
家は無個性になります。
少し整えて、
少し残す。
そのバランスが取れたとき、
古民家や中古住宅は、
新築にはない深さを見せてくれます。
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